appricot’s diary

日々の勉強のメモ

Netflixにおける因果推論の利用例 ==> 読後メモ

Netflixにおける因果推論の利用例が、以下のBlog記事にまとめられていたので、内容を要約。因果推論の応用先(What)を知るのに役立つ記事。ただ、因果推論をどのように応用したか(How)の部分は、あまり語られておらず。。。以下、一部、文脈からの推測を含めて記載(誤ってたら、すいません)。

netflixtechblog.com

 

利用例1: どのコンテンツをローカライズするかの意思決定

  • コンテンツの吹き替え版を作る場合に、あるコンテンツの吹き替え版を、ある国で作ったら、どれぐらいの価値があるかを推定。
  • 因果推論+過去の履歴データを利用。
  • 掲載されている図からの、ざっくり推測:
    • 日本のコンテンツAは、米国で吹き替え版の制作がまだ。このAを、米国での吹き替え版を作って放映した場合(Treatment)の価値(Uplift)を推定したい。 
    • コンテンツAに対して、ジャンル情報等を用いて、類似のコンテンツを定義。
    • 類似コンテンツの中には、既に米国で吹き替え版が作られているコンテンツBと、吹き替え版制作がまだのCがある。
    • これらのコンテンツの過去の人気度合いの差(Uplift)をみつつ、Aを米国で放映した場合の価値を推測。

 

利用例2: 新機能の効果計測

  • 新機能の効果を確認するためのBest Practiceを、今後定義していくとのこと。
  • Best Practiceの一例(図からの推測。この部分は、あまり理解できず。)
    • 最初に、以下のユーザグループを用意して、ABテスト。短期での効果を見る。
      • Control群 (今のまま)
      • Experiment群1 (Treatment1)
      • Experiment群2(Treatment2)
      • Production群(今のまま)
    • 仮に、Treatment1の結果が良かった場合、以下のようにして、長期の効果を測定。
      • Control群 (今のまま)
      • Experiment群1(Treatment1)
      • Experiment群2(Treatment1)
      • Production群(Treatment1)
  • 別途、Netflixが出している準実験の説明を見るのが、分かりやすいかも。

 

利用例3: レコメンド

  • レコメンドに因果推論を取り込むためのフレームワークを開発。
  • 既存のレコメンドに対して、因果推論を利用した軽量のAdapterを追加できるようにした。
  • このフレームワークには、以下のモジュールが含まれる。
    • Impression (Treatment) to play (outcome) attribution
    • True negative label collection
    • Causal Inference
    • Offline evaluation
    • Model serving
  • 既存のレコメンドと比べて、交絡因子(Confounder)を考慮しながら、あるコンテンツをユーザに見せること(Treatment)によるImpactを正確に見積れる点が、特徴の1つ。
    • 例えば、こんな関係があったとする。
      • 「K-Drama好き」==>「イカゲームを実際にPlayする」
      • イカゲームをNetflixで見る」==> ユーザは「イカゲームを実際にPlayする」
      • 「K-Drama好き」==> ユーザは「イカゲームをNetflixで見る」
    • この場合、「K-Drama好き」は、「イカゲームを実際にPlayする」「イカゲームをNetflixで見る」の両者に影響を与える交絡因子。

 

利用例4: LTV推定

  • 単にLTVを推定した場合、ユーザ獲得コストやRententionコストを高く見積もり過ぎてしまう可能性あり。なぜなら、常に、Intervention(Netflix側からのMarketing Action)なしで、自然とSubscribeしてくるユーザがいたり、Rententionするユーザがいるため。
  • (推測)そこで、因果推論を用いて、Interventionがない場合のLTVを推測。
  • Netflixでは、現在Netflix会員であるユーザのLTV、Netflix非会員のユーザのLTV、両方を推定。
  • さらに、このLTV推定の結果を、以下のことにも利用。
    • 将来のSubscriber数の予測
    • 価格変更が、Subscriber数に与える影響の予測
    • 価格の値下げなど、ユーザのLTVを最大化させるための施策の提案。