appricot’s diary

日々の勉強のメモ

投資における為替ヘッジの影響

概要

  • 昨今、円安によって、海外資産が購入しづらい。このまま円安が続けばよいが、将来的に円高に触れる可能性も考えると、為替ヘッジしたくなる。
  • では、為替ヘッジの影響がどれぐらいなのか?を調査。調査日は2023年9月30日。日米間の場合、両国の金利差が、そのままヘッジコストになるはずだが、実際、どれぐらいのパフォーマンス差がでるのかを調査。

 

日米両国の金利

 

SP500

 

金(ゴールド)

  • 為替ヘッジなし(GLD)
  • 為替ヘッジあり(ステートストリート・ゴールドファンド・為替ヘッジ有)
    • 過去1年間のリターン: +4.41% (ヘッジなしと比較して-3.81pt)
    • 過去5年間のリターン: +30.33% (ヘッジなしと比較して-20.33pt)
    • 信託報酬:0.895% / year
    • 投信・外貨建MMF|SBI証券

  • リターンに占めるヘッジコスト(信託報酬分を除く)
    • 1 year:  13.80% - 16.57% - 0.15% = 3.315pt
    • 5 years:  48.60% - 35.68% - 0.15% * 5 = 17.855pt

 

考察

  • そのときどきの金利差に影響を受けるが、ざっくり、リターンを2.6 ~ 3.3 pt / year 下げる形で、影響してくる。
  • 短期で持つ場合、それほど気にならないが(それでも大きいが・・)、長期で持つ場合には、かなりパフォーマンスへの影響が大きい。1年程度の短期・中期投資で為替ヘッジをかけるのはありだが、積立NISA・イデコなどの長期投資で為替ヘッジをかけるのは避けた方が良さそう。
  • 1年程度の短期・中期投資で為替ヘッジをかける場合であっても、ドル建てでの期待リターンが4%以上である必要がある(この数字は、その時々の金利に依存するが・・)。世界株・米国株のインデックスであれば、短期投資で為替ヘッジは問題なさそうだが*1、ゴールドなどのコモディティや債券の場合、短期投資の為替ヘッジであっても、ヘッジコスト負けしてしまう(最終的なリターンが負)可能性がある。
  • 実際の日米金利差と比較すると、為替ヘッジがパフォーマンスに与える影響は小さめに出ており、この原因が何なのかは、まだ理解できておらず。

*1:世界株等のインデックスの年平均リターンを4%と仮定