appricot’s diary

日々の勉強のメモ

Challenges And Opportunities In Media Mix Modeling ==> 読後メモ

論文

こちらの論文を要約。2017年にGoogle Researchが出したMMM (Media Mix Modeling)に関するサーベイ論文。

research.google

 

MMM(Media Mix Modeling or Marketing Mix Modeling)とは

  • 広告主が広告投資の効果を計測するためのモデル
  • 時系列の集計データを用いて、Sales outcomeを予測するモデルを構築
  • 広告関連の変数、マーケ系の変数、天気・季節要因・競合の状況などが入力変数
  • MMMのモデルからは、ROAS(Return on advertising spend)や、最適化された広告予算配分などを得ることが可能。
    • 昨年のTV広告のROASは?
    • もし、ある商品の広告費を来年増やせば、その商品の売れいきはどうなる?
  • (補足)販売個数 = F(テレビ広告出稿量、ラジオ広告出稿量、月、天気、販促キャンペーン有無)みたいなモデルを構築するイメージか。。

 

因果推論モデル

  • MMMではRCTや因果推論のアプローチを利用することが困難。
    • RCT: いろんな条件を、全部実験することは、非現実的。
    • 因果推論 (Potential Outcome Framework / Rubin Causal Model):MMMに利用できるデータ数は少ないことが多く、それに対し、Control Variableの組み合わせが多いことが多いので、利用しづらい。
  • そこで、Regressionを利用したアプローチを用いることが多い。

 

RegressionによるMedia Mix Modeling

  • MMMで利用されることが多いデータ
    • Response Data、ある商品の販売数など
    • Media metrics、それぞれのメディアでのインプレッション数やクリック数など
    • Marketing metrics、対象商品の価格・販促状況など
    • Control factors、季節要因、天気、競合商品の状況など
  • Regressionのモデル
    • Y[t] = F(X[t-L+1], Z[t-L+1])
      • Y[t] = Time t でのSales
      • X = L期前のマーケティングに関する変数
      • Z = L期前のControl variables(天気など)
      • Lはラグ。マーケ活動をしたL期後にSalesに影響が出ると仮定。

 

Challenges

  • Dataが不十分
    • データポイント数が不十分な場合がある。3年間の週次データで、20変数あるモデルであれば、モデルのパラメータ数がデータポイント数を上回ってしまうこともある。
    • 広告出稿量を倍にした場合のSalesを知りたいが、過去に出稿量が倍になったことがない・・など、手持ちのデータの範囲が不十分な場合がある。
  • Salection Bias
    • 入力変数に入っている変数意外で、Salesに影響を与えるマーケティング関連の変数があったとしたら・・・
  • Model Selection
    • Fittingが高い2つのモデルでも、マーケ変数の条件によって、異なる結果を出す場合がある。このような場合、どちらのモデルを選ぶべきか?

 

Chances

  • Data
    • より正確で粒度が細かいデータが重要。
  • Model
    • ベイジアンモデルが良い場合がある。Benefitsは、以下の通り。
      • 事前知識を入れることができる。
      • 複雑なモデルを扱える。
      • モデルとParametersのUncertaintityを示すことが可能。
    • Category models
      • 同じProductの別ブランドのデータも使えると、さらに良い。
    • Geo models
      • 国レベルのデータより、より粒度が小さい都市・地域レベルでのデータも使えると、さらに良い。
    • Graphical models
      • 複雑な依存関係を捉える場合、Graphical modelが有効。
  • Validation
    • Simulatorがあると、様々な仮定や条件にたえうるRobustなモデルが構築可能になる。

 

Impression

  • Media Mix Modelingは、Marketing Mix Modelingと呼ばれることもあるとのこと。いづれも略称は、MMM。
  • 過去データからの分析だと、どうしても、「関係はあるが因果はないマーケ変数とSalesの組み合わせ」がでてきてしまいそうなのが懸念。データ収集のためのランダム実験ができるなど、条件さえあえば、因果推論を用いたアプローチが有効そうな印象。
  • ただし、その場合、この論文でも指摘されているとおりで、Treatmentの組み合わせが多数になってしまうので、そこを如何に乗り越えるかは、課題だが・・・。